ごあいさつ
ごあいさつ

皆さまには、平素から私ども道南うみ街信用金庫に対しまして格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
昨年の日本経済は、景気は緩やかな回復基調を維持していると言われ、日本銀行による追加利上げが行われるなど「金利のある世界」に戻ったほか、日経平均株価は史上最高値を更新し、春闘における賃上げ率はバブル期以来の伸びを記録するなど、幅広い分野でインフレ経済への回帰が見られました。
管内の中小・小規模事業者は、物価上昇によるコスト増を価格転嫁で吸収することが難しく、加えて、急速に進む人口減少や少子高齢化、賃金水準の上昇などを背景に、深刻な人手不足や後継者問題等、多くの経営課題に直面し、極めて厳しい状況下に置かれています。
当金庫におきましても、年度末にかけて長期金利が急上昇したことにより、日本国債を中心とする債券の価格が下落し、大きな評価損が発生したことから、今後の市場動向を踏まえ、損失拡大の恐れがある債券について経営体力の範囲内で売却処理をした結果、2024年度の決算は損失を計上、信用金庫法第57条により、出資配当を見送らざるを得ないこととなりました。
皆さまには大変ご心配をおかけしますが、これまで蓄えてきた十分な自己資本により、当金庫の安全性・健全性が損なわれることはございませんので、引き続き変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。
米国の新政権が世界経済に与える影響の大きさを未だ測ることは出来ませんが、中国経済の停滞や、中東・ウクライナ情勢などの国際的な政治・経済情勢が景気の下押し圧力となり得る、不確実性が極めて高い状況の中、金融政策の動向を踏まえた金利リスク・市場リスクに係るリスクマネジメントに一層留意するとともに、地政学的リスクの増大等を踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化、マネロン・金融犯罪対策の有効性の向上へ適切に対応してまいります。
我が国を取り巻く状況が急速かつ大きく変化していくなかで、お取引先に対する資金繰り支援や経営課題の解決へ向けた取り組みを不断に継続し、お客さまと地域社会の抱える課題解決に貢献していく必要がより一層高まっているものと考え、変わって行く未来に対し、変わらない想いをもって地域の負託に応えていける確たる存在であり続けるよう、より健全経営に徹し、役職員一同誠心誠意取り組みを続けてまいります。
今後とも格別のご愛顧、ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。
2025年7月
理事長 田原 栄輝